読書記録「最近読んだ本2017年度」

ここ1年くらい、カイシャのおひるやすみとかで少しずつ読んでた本。オチとかふつうに書きます。

 

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

 

〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。しかし彼は、以前より完璧な屈従を強いる体制に不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと出会ったことを契機に、伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが……。

有名なディストピア小説の傑作。この小説が「ビッグブラザー」の元ネタだということを読んでって初めて知ったという。暗黒監視社会の体制側で記録改竄業務に従事しつつ体制への忠誠心はあまりない主人公(おっさん)が、うっわやべーなあの女めっちゃ忠誠心高いわこわ……近寄らんとこ……って思ってた女にラブレターを渡されて、マジかあの女さいしょからイイ女だと思ってたわーって手のひらクルーした挙句に自由恋愛は御法度な社会でこっそり逢引きする話。いやあ前半マジこんな感じなんですよ。そのあと反骨心を見抜かれてレジスタンスにスカウトされたりするわけですけどね。いわゆる末端構成員で決して大活躍できるポジションじゃないからこの話はどう畳むつもりなんだ?と思ってたら現実はなかなか甘くなかった。

 

ニンジャスレイヤー ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ (下) (不滅のニンジャソウル # 8)

ニンジャスレイヤー ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ (下) (不滅のニンジャソウル # 8)

 

史上最大の総力戦!!

【10101526】「……噫! 生は我が牢獄! ニンジャソウルは我が呪い!」10月10日、15時26分。天下網から転送された機密データ奪還に動く、アマクダリ・セクト。遠く洋上の彼方にいる赤黒の死神とハッカーの意志を継ぐ、サイバーゴスの少女。そしてネオサイタマを舞う、竜の影。インガオホーの交錯の末、両陣営の総力戦は加速していく。ーー「フェアウェル・マイ・シャドウ」

【10101517】「これは分水嶺。アマクダリが勝つか、他が勝つか。アガメムノンのルールが勝つか、他が勝つか。そういうイクサなんだ」10月10日、15時17分。アマクダリの理想支配世界から疎外された街、ニチョーム・ストリートの反乱が始まった。ニチョームが、シマナガシが、サヴァイヴァー・ドージョーが、奪われたものを取り戻す戦争に挑む。ーー「ニチョーム・ウォー」

上の本に対して、暗黒管理社会に反旗を翻してうまくいった(いきそう)ほうの小説。だいたいフェアウェル・マイ・シャドウのあたりから連載を本格的に追い始めたのでなつかしい……ええっついに再登場したレイジのデザイン、かなり強者感がアップしててカッコイイ!昔は見習いっぽさが溢れてたのに……!第3部のエピソードはけっこう単行本化してないものが多いのだけど、そういうのけっこう読んでないのが残ってたりする……。

 

黄昏のブッシャリオン (カドカワBOOKS)

黄昏のブッシャリオン (カドカワBOOKS)

 

その日、世界は得度の光に包まれた―。徳なき荒野に変貌したアフター徳カリプス14年。地には無人の得度兵器が闊歩し、人類を強制成仏へと導く。生き残った人々は、僅かな徳エネルギーの残滓を集めて命を繋いでいた。そんな末法の世界で、採掘屋の二人ガンジークーカイは莫大なエネルギーを秘めた「仏舎利」を求めて荒野を走る。出会うのは、徳を生む少女、舎利ボーグ、ブッシャリオン…荒唐無稽な事象に満ちた徳パンクSFが、今開幕!! 

ブッシャリオン!連載で中途半端に読んでたブッシャリオン!前にどこかで徳エネルギーの発想元として「マニ車を回転させて徳が積めるのなら徳を流し込めばマニ車を回転させて動力として使えるのではないか」というのがあったってよんだ気がするのだけどどうだったかな……。これkindleじゃなくて物理書籍で買ったのだけど正解でしたね。欄外の解説とか多いしそういうの読みやすい。ガンジークーカイの奇妙な冒険はまだ始まったばかりだし連載はまだまだ先まで進んでるけど、続刊ありますか?

 

know (ハヤカワ文庫JA)

know (ハヤカワ文庫JA)

 

超情報化対策として、人造の脳葉“電子葉”の移植が義務化された2081年の日本・京都。情報庁で働く官僚の御野・連レルは、情報素子のコードのなかに恩師であり現在は行方不明の研究者、道終・常イチが残した暗号を発見する。その“啓示”に誘われた先で待っていたのは、ひとりの少女だった。道終の真意もわからぬまま、御野は「すべてを知る」ため彼女と行動をともにする。それは、世界が変わる4日間の始まりだった―

 道路や自然物にまで情報収集剤が埋め込まれてネットワークに接続し、脳内に電子葉という脳機能補助コンピュータを埋め込むことが義務化された未来。あらゆる情報が直接脳内で検索・ダウンロード・処理が可能となり、「知る」という言葉の定義が変わるまでとなっていた。主人公はかつて電子葉を発明して世界を変えた天才科学者に一時的とはいえ師事し、いまでは省庁で上りつめて情報処理クラス5という一般国民のたどり着ける最高ランクにまで上り詰めていた。そんなある日、失踪した先生が遺した暗号に気づいた彼は14年間行方不明だった先生と再会。そして一人のクラス0の少女の世話を任されるのだが、彼女は電子葉をはるかに超える性能の量子葉を埋め込まれた、クラス9だった。

脳機能ブーストするメカとかナノマシンとかのお約束で電子ドラッグももちろん出てくるし、脳ハックによるニューロンダメージとかも概念としてあるからすごいSF感ある。そして「知っている」という言葉の意味が変わるような時代で、知ることは生きること、知識欲は生存欲だという内容。ブラックホールに飲み込まれると生きては出られないというが、生きて出られる可能性がある宇宙船があった場合は飛び込んでみたいと思わないか?その先がどうなっているか知りたいと思わないか?

 

 

 

今読んでる本

 

妖怪処刑人 小泉ハーン

妖怪処刑人 小泉ハーン

 

時は1899年。いまだ倒れぬ徳川幕府薩長同盟はともに性急なる近代化と軍備増強に余念なし。一方、強化アーク灯の光届かぬ荒野には未だ魑魅魍魎が跋扈する。この暗黒の時代、人知れず妖怪狩りを続ける男がいた。男の武器はウインチェスターM1876Z式ライフル銃。コルト社製アンブローズ・ビアススペシャル。そして鋼の信念。大公儀魑魅魍魎改方の最後の生き残り。不吉なる妖怪猟兵の装束を纏いて、黒の軍馬シャドウウィングを駆る偉丈夫。その男の名は……小泉八雲

まだ途中だけど、プロトタイプに当たると言ってるハーン・ザ・ラストハンターと比べると登場人物名が漢字になってたり忍殺風味インチキ感が減って妖怪退治怪奇伝記アクションとして入り込みやすくなってる。まあ悲鳴は「アイエエエ」だけど。