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読書記録「虐殺器官」伊藤計劃

小説感想

デビューして2年で夭折した作家、伊藤計劃のデビュー作にして代表作。
ということを全く知らずに購入して半年くらい積んでいた、虐殺器官を読みました。

近未来。サラエボで発生した核爆弾テロによって世界中で戦争・テロが激化した結果、、アメリカを始めとする先進諸国は厳格な個人情報管理体制を構築しテロの脅威を一掃することに成功した。しかしその一方、後進国では内戦と民族対立により虐殺が旧毛木に増加していた。それに対してアメリカは特殊部隊を創設し、各国の情報収集と戦争犯罪人の暗殺を行うようになった。
その特殊部隊に所属するクラヴィス・シェパードは、各国の虐殺に関わっていると目される謎の男、ジョン・ポールを追跡する任務を負う。

人工筋肉や光学迷彩、痛覚遮断などの技術が普及した近未来。イントルード・ポッドやらフライングシーウィードやらの横文字なルビがふられた漢字やら、知ろうと思えばすべてのものについて生産者まで辿ることができるほどの情報管理社会など、サイバーな要素があれやこれやと出てこれども、内容は全編クラヴィスの1人称ということもあってかシンプルで非常に読みやすかったです。
登場人物も最低限、主人公と同チームの3人、仇敵ジョンとヒロイン?のルツィアがわかればいいですし。

ラヴィスの背負う罪や、ルツィアに対する執着、謎に満ちたジョンの目的と虐殺を扇動する方法など、あまり長くない中に濃度の濃い話が満ちていました。

ラストはなんとなく予想はつきましたが、ある意味では夢見ていた世界を現実に持って来ることに成功したのかな、という。

ところで、氏の作品としてもうひとつ有名な「ハーモニー」ですが、舞台は虐殺器官のn年後というらしいですね。そっちも読むのが楽しみです。(積んでる)

ちなみにこの作品のwikipediaを見ると、「ストーリー」の項目に最初から最後まで内容を要約した文章が書いてあります。あらすじどころじゃなく完全に要約。本編読まなくても既読者の会話に入っていけるレベル。すごい。